2000/01/22 東京サークル「銅鏡づくりに挑戦」


日時:  2000年1月22日(土)10:30〜16:30

場所:  新宿区立西戸山第二中学校技術室

テーマ: 銅鏡作りにチャレンジ

実習内容:  (1) 減摩合金で簡単鋳造
           (2) 銅を溶かして、銅鏡をつくろう

参加人数: 10人

 今回の東京サークルは、鋳造体験です。鋳造っていうと難しそうに感じてしまいますが、ちょっとしたコツを体験してみると、なかなかおもしろくてはまってしまいます。それでは、まず手軽にできる「減摩合金による鋳造」から紹介しましょう。

簡単!「減摩合金」で鋳造実習

  

 今回型にするのは、なんと本物の銅鏡! 

  1. 板の上においてパーチングパウダー(白い粉で型が抜けやすいようにします。)を振りかけます。布でつつんで振りかけると便利です。
  2. 木製の枠をおいて、OBBサンド(シリコンを配合した水分調整のいらない鋳砂、何度でも繰り返し使えます。一斗缶で3万円です。)を細かく砕きながらかぶせていきます。木づちでたたいて固めていきます。
  3. 枠の高さになったら平らに削り落とします。 

  

 続いて、枠ごと裏返して、型を掘り出します。

  1. 今回の銅鏡は周りが逆勾配がついていてそのままでは引き抜けなかったので、その部分だけ千枚通しで砂を削りました。
  2. 数人がかりで協力して型を引き上げます。真ん中にガムテープを貼って持ち上げたりもしました。
  3. 抜いた型と、できあがった鋳型です。部分的に浮き上がった部分などを修正しておきます。

  

 さていよいよ鋳込みです。減摩合金の融点は220度程度なので、コンロと鍋で簡単に溶けてしまいます。ただし、柄の部分が高温になるので木製やプラスチック製の柄だと発火してしまう可能性があります。今回は全て金属製の鍋を革手袋などを使って持ちました。減摩合金は2kgのインゴットで6千円程度です。低融合金ほど高価でなく、磨けば光沢がでますし、けっこう堅くなります。

  

 固まったら、ラジオペンチでひっくり返してみます。そんなに温度も高くないので、固まっていれば、水で冷やしても大丈夫です。

  

 あとは、バリをベルトサンダーなどでとります。写真は60番のベルトです。目がつまりますが、金ブラシでみがいて落としましょう。それからもちろん、鏡にするためには鏡になる面も磨かなければいけません。実習では、ベルトサンダーで磨いてから、240番のヤスリでみがきました。その後、1000番と1500番の耐水ペーパーや、中土や仕上げ土などの砥石を使ってみがいていきました。けっこう大変ですが、みんなしてはまってしまいました。

  

 銅鏡の模様が本当に忠実に再現されています。試しにミッキーマウスのキーホルダーを型にしてみたらけっこういけます。しまいには、携帯電話(ディスプレイ用のイミテーション)でもやってみました。これもけっこういけます。

 いろんなものが作れそうです。


銅を溶かして本物の銅鏡をつくるぞ!

 減摩合金も手軽でけっこういいのですが、やはり本格的に銅鏡をつくってみたいということで、やってみました。

 

 これが、今回使った「るつぼ」です。浅いものと深いものを用意しました。これが炉の中で赤熱するのですから驚きです。

  

 今回使った炉は手作り、バーベキューの網を置いて耐火煉瓦を積み上げた炉に、掃除機を逆転した送風機で風を送ります。風量はスダイダックで調節(掃除機のモーターは整流子電動機なので)します。燃料はコークスです。最初は新聞紙や木片などを燃やしてコークスに火をつけ、徐々に火を大きくしていきます。中においた「るつぼ」が赤くなっているのがわかりますか。

 

 炉の準備ができたところで、型も作ってしまいましょう。型には一般的な鋳砂を使いました。水分量は手で握った時に形が残る程度です。上型を今回は使わないので、それほど厳密でなくても大丈夫です。水分量を調整してから、型に振りかけていきます。振りかける時には網を通すのを忘れずに! きめの細かい鋳物をつくるには欠かせない作業です。

  

 枠がいっぱいになるまで砂を入れて、四隅だけを棒でおして固めます。これで型が動かなくなります。そのあと順次左右対称になるように固めていきます。枠の高さまできっちり入れます。型の真上はきつくしめすぎないほうがよいそうです。

  

 裏返すと、型が見えます。これを引き抜くわけですが、鋳砂はもろいので、筆で水分を回りに入れて少し砂を収縮させます。その後前後左右に軽くたたいてあげると引き抜きやすくなります。

  

 まさに引き抜く瞬間、型に何かを差し込めるようにあらかじめつくっておくといいですね。しかし、塗れたままでは鋳込んだ時に、水分が沸騰してしまいます。そこでバーナーであぶって水分を飛ばしてしまいます。

  

 炉のほうでは、まず、錫をるつぼに溶かしておきます。錫3に対して銅7程度だそうです。あらかじめグラムを測ってから溶かすようにします。錫を溶かしておくと、銅の溶ける温度がだいぶ下がります。青銅(錫と銅の合金)が古代になぜ使われていたか実感できますね。

  

 いよいよ鋳込みです。るつぼをもつために専用のヤットコを用意します。もっと柄の長いものも市販されているとのことです。もちろん革手袋などで持たないとやけどをしてしまいます。流してもしばらくは赤く赤熱しています。さめるのにはだいぶ時間がかかります。赤くなくてもまだやけどをするぐらい熱いですので要注意、十分にさめてから次の作業に移りましょう。

  

 あとは、鏡になる面をひたすらみがいていきます。最初はベルトサンダー(60番)で、その後240番のサンドペーパーで、さらに1000番、1500番の耐水ペーパーで、最後にピカールで仕上げます。

 

 そしてこれが完成品、村松さんの顔が見えます。渡辺さんの鏡も電灯の明かりを反射しています。減摩合金でもやってみたのですが、銅のほうがやっぱりいいですね。


 

西戸山第二中で新たな掲示物を発見! 

 東急ハンズで購入したという木のハガキの掲示です。これにボール盤で穴をあけて、掲示物になっています。コクタン、シタンから、ヒノキそしてバルサまで、裏を見てはじめて木材の名称がわかるのもいいです。予算は8千円程度だそうです。

鋳造にすっかりはまってしまいました。

 そしてこれが、今回製作した作品の一部です。朝から晩までの実習だったのですが、時間がたつのを忘れて取り組んでいました。やはりものづくりはやめられませんね。これからもこんな実習をたくさんしたいです。これからの東京サークルの企画をみなさんで考えていきましょう。

 次回は、現在のところ2000年2月12日(土)の予定です。今から予定をあけておいてください。次回もみなさんの参加をお待ちしています。

文責 川俣 純  


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